【三菱インバータ】オーバーヒート(E.OH/E.THT)の原因と現場での復旧ステップ

【三菱インバータ】オーバーヒート(E.OH/E.THT)の原因と現場での復旧ステップ

「インバータが急に止まって異常表示が出ている…」

「復旧ボタンを押してもすぐにまた落ちてしまう…」

設備のトラブルでインバータが停止すると、ライン全体が止まってしまって焦りますよね。特に夏場や長時間の連続稼働時に発生しやすいのが「オーバーヒート(過熱異常)」です。

この記事では、三菱電機製インバータ(FREQROLシリーズ)でオーバーヒートが発生した際の原因特定から、現場でできる確認手順、実際の対処法までを解説します。

結論:まずは「外部異常」か「内部過熱」かを見極める

三菱インバータで過熱系の異常が出た場合、まずはエラーコードを確認してください。

  • E.OH(外部サーマル動作): 外部のサーマルリレーや冷却ファン、サーミスタ等の信号検知
  • E.THT(電子サーマル動作): インバータ内部の過負荷・内部過熱保護

「冷却周りの物理的なトラブル」なのか「モータや機械側の過負荷」なのかを切り分けることが、早期復旧の最短ルートです。

主な原因

インバータがオーバーヒートを起こす主な原因は以下の4点です。

  1. 冷却ファン・ヒートシンクの目詰まり・故障
    • 切削粉や埃、油分が冷却ファンやヒートシンク(放熱フィンの隙間)に溜まり、放熱できなくなっている。
  2. 制御盤内の環境悪化(盤内温度の上昇)
    • 盤のファン故障、フィルターの目詰まり、または夏場の外気温上昇により、盤内温度が許容値(通常40〜50℃以下)を超えている。
  3. 過頻度な加減速や過負荷
    • 搬送物の引っかかりや機械的摩耗により、モータへの負荷が増加している。
  4. 低速域での長時間の連続運転
    • 汎用モータを低周波数(低速)で長時間回すと、モータ自身の自己冷却能力が落ちて発熱し、外部サーマル(E.OH)が跳ぶ。

現場での確認方法(4ステップ)

異常が発生したら、以下の順番で確認を進めます。

ステップ1:エラーコードの記録と周囲の確認

まずは操作パネル(FR-DU08など)でエラー内容を確認・記録します。あわせて、制御盤の周囲から焦げ臭い匂いや異音がしていないか確認します。

ステップ2:冷却ファンとヒートシンクの目視・動作確認

  • インバータ下部(または上部)の冷却ファンが正常に回っているか。
  • 冷却ファンや裏面の放熱フィンに粉塵や油分がこびりついていないか。

ステップ3:制御盤内の温度測定

サーモグラフィーや非接触温度計を使い、盤内温度およびインバータ本体の表面温度を測定します。盤の吸気フィルターが詰まっていないかもチェックしてください。

ステップ4:モータ電流値の確認

インバータのモニタ機能(またはクランプメーター)を使って、稼働時の出力電流値を確認します。定格電流を超えて推移している場合は、機械的な過負荷が疑われます。

実際の現場例:搬送コンベヤの突然停止

ある加工ラインで、三菱インバータ(FR-E700シリーズ)がアラーム「E.OH」を出して停止しました。

現場で起きていたこと

  1. 初期状況: リセット操作を行うと一時的に復旧するが、10分ほど運転すると再度「E.OH」で停止する状態。
  2. 原因調査: インバータ裏面のヒートシンクを確認したところ、加工時に飛散した微細なアルミ粉と油分が目詰まりし、完全に放熱孔を塞いでいました。
  3. 応急処置: 一度電源を落として安全を確認(※コンデンサ放電待ち時間を遵守)後、エアブローとブラシでヒートシンクの清掃を実施。盤内ファンフィルターも清掃して清掃後に再稼働させたところ、正常運転に戻りました。

再発防止策

同じトラブルを繰り返さないために、以下の保守・点検を予防保全計画に組み込みましょう。

  • 定期的なエア清掃計画の立案
    • 環境に応じて、月1回〜半年に1回はインバータのヒートシンクおよび制御盤フィルターの清掃スケジュールを組む。
  • 冷却ファンの予防保全(寿命管理)
    • インバータの冷却ファンには寿命(目安約5〜10年、環境による)があります。三菱インバータの「寿命診断モニタ」を活用し、稼働時間を把握して定期交換する。
  • 低速運転が多いラインの見直し
    • 低速での高負荷運転が続く場合は、インバータ専用モータ(定トルクモータ)への更新や、ギヤ比の見直しを検討する。

まとめ

三菱インバータのオーバーヒート(E.OH / E.THT)対応のポイントは以下の通りです。

  1. エラーコードで「外部要因」か「過負荷」かを切り分ける
  2. ファン・ヒートシンクの埃・油詰まりを真っ先に疑う
  3. 応急復旧後も、盤内環境や電流値のトレンドを追う

設備トラブルは慌てず、一つずつ要因を潰していくことが一番の近道です。日頃の清掃と点検で、過熱トラブルの多くは未然に防ぐことができます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました