ベルトコンベヤの保全でよくあるトラブルの一つが「ベルトの蛇行」です。
「ベルトが片側に寄る」
「フレームに擦れて異音がする」
「ベルト端が傷んでしまう」
このような症状を放置すると、ベルトの破損やローラーの摩耗、最悪の場合はライン停止につながります。
しかし、ベルトを調整する前に原因を正しく特定すれば、多くの蛇行トラブルは短時間で解決できます。
この記事では、現場で実際によくあるベルト蛇行の原因と対処方法を解説します。
結論
ベルトコンベヤが蛇行した場合は、以下の順番で確認しましょう。
- テールローラー・ヘッドローラーの位置
- ローラーの固着や摩耗
- ベルト張力
- ベルトへの異物付着
- フレームの歪み
現場では「ローラー調整不良」と「異物付着」が原因になっているケースが非常に多くあります。
原因
① ローラー位置のズレ
最も多い原因です。
ヘッドローラーやテールローラーが左右均等になっていないと、ベルトは張力の強い側へ寄っていきます。
症状例
- 常に同じ方向へ蛇行する
- 調整すると改善する
② ローラーの固着
搬送ローラーが回転しなくなると、ベルトの進行方向が乱れます。
原因
- ベアリング破損
- ゴミの噛み込み
- サビによる固着
③ ベルト張力不足
張力が弱いとベルトが安定せず蛇行しやすくなります。
症状例
- 起動時だけ蛇行する
- 荷重をかけると悪化する
④ 異物の付着
ローラーやプーリーに製品カスや油が付着すると、左右で直径が変わり蛇行の原因になります。
発生しやすい設備
- 食品ライン
- 木材加工設備
- 粉体搬送設備
⑤ フレームの歪み
衝突や長年の使用でフレームが歪むと、ローラーの位置関係が変わり蛇行が発生します。
確認方法
STEP1 蛇行する位置を確認する
まずはベルトがどこで蛇行するか観察します。
確認ポイント
- ヘッド側
- テール側
- 中央部
- 全体
場所によって原因を絞り込めます。
STEP2 ローラーを点検する
停止状態で手で回します。
確認内容
- 軽く回るか
- 異音がないか
- ガタつきがないか
固着しているローラーは交換しましょう。
STEP3 ベルト張力を確認する
ベルト中央部を押して張力を確認します。
左右で張力差がないかも確認しましょう。
STEP4 異物を除去する
確認箇所
- プーリー
- ローラー
- ベルト裏面
付着物を取り除くだけで改善するケースもあります。
STEP5 ローラー位置を調整する
調整ボルトを少しずつ回し、蛇行状態を確認します。
注意点
一度に大きく調整すると、反対側へ蛇行する原因になります。
少しずつ調整しながら様子を確認しましょう。
実際の現場例
物流ラインで搬送ベルトが左側へ蛇行し、フレームに接触するトラブルが発生しました。
ベルト交換を検討しましたが、点検するとテールローラーに梱包テープが巻き付いていました。
テープを除去し、ローラーを清掃したところ蛇行は解消しました。
原因はベルトではなく、ローラーへの異物付着でした。
再発防止
ローラー清掃を定期的に実施する
特に粉塵や包装材が多い設備では、清掃頻度を増やしましょう。
ローラーの定期交換
異音やガタつきがあるローラーは早めに交換します。
ベルト張力を点検する
定期点検で張力を確認し、設備ごとの基準値を維持します。
始業前点検を実施する
運転前にベルトの走行状態を確認することで、大きなトラブルを未然に防げます。
まとめ
ベルトコンベヤが蛇行した場合は、
- 蛇行位置を確認する
- ローラーを点検する
- ベルト張力を確認する
- 異物を除去する
- ローラー位置を調整する
この順番で切り分けることで、効率よく原因を特定できます。
ベルトの蛇行は、放置するとベルト交換やライン停止につながる可能性があります。
日常点検でローラーやベルトの状態を確認し、小さな異常のうちに対処することが設備を長く安定稼働させるポイントです。

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